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住宅のコロナウィルス対策を考える

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    未知の感染症は野生動物が宿主です。蔓延の原因は人類の自然破壊によって野生動物が住処を失って人類との接触機会が増えたこと、経済成長に伴うグローバル化により感染スピードが早まったことだと言われています。事実100年に一度であった世界的な感染症の蔓延が近年では10年に一度起きていることから今後も発生する可能性が高いとされています。住宅の新築や改修を考えるとき、身近になった感染症への対策は何ができるか考えてみました。まだ新型コロナウィルス感染の全貌は明らかにはなっていませんが、インフルエンザや既存のコロナウィルス(SARS,MERSなど)の感染経路からできるだけ推測しました。自分が感染症になり自宅待機を余儀なくされたとして考えてみます。提案は・間取り換気仕上げ材生活態度の4項目です。

    1.間取り:家族用とは別に待機用個室と専用トイレを設けて動線を分離します。既存のコロナウイルス(SARS,MERSなど)はガラス、金属、プラスチックの上で最長9日間残存するとのことですので、トイレが家族と共用だと自分が使うたびに便器、ドア、リモコン、床などを消毒する必要があります。家族用トイレがもう一つあり、動線が分離されていれば家族は隔離された個室に近づかなくても日常生活を送ることができます。

    2.換気:待機用の個室、トイレと家族のエリアは換気ルートを分けます。
    エアロゾル(空気中に存在する細かい粒子)化したウィルスは換気しなければ3時間程度空気中に留まる**とのことですから、これを早く排出するためには家族のエリアを通過することなく最時間で個室から排出できるように専用の排気口(換気口)を設置します。家族エリアと空気が混ざると気流は常に動いていますから飛沫が何かの表面に付着してしまう可能性が高まります。また待機用個室の入り口建具は引戸よりも開き戸(ドア)の方が密閉性が高められます。

    3.仕上げ材:待機用の部屋からウィルスが漏れて、家族エリアの窓ガラス、サッシ、ドアノブ、スイッチ等に付着すると長く残存します。消毒によってウィルスを不活性化する方法がありますが、出入り口ドア、収納扉、枠、床(仕上げによる)が樹脂系の素材または塗装も同様に残存する可能性がありますので対象の範囲が広くなります。ウィルスは吸湿性の高い天然繊維の上ではプラスチックや金属の上よりも素早く乾く(ダンボール上での生存期間がプラスチック、金属の2分の1から3分の1***)という性質であることを考えると室内の仕上げ材は天然素材の方がウィルス寿命を短くすると推定できます。壁はビニールクロスのような樹脂系ではなく漆喰や紙クロスなどの繊維系を、建具は木製を選定します。


    4.生活態度:ハード面の対策をしたとしても、暮らし方が大切なことはいうまでもありません。一般的にはバスルームは専用という訳には行きませんから、家族との共用を前提とするなら自分の入浴は家族が済ませてからということになります。入浴後の消毒やゴミの処理は素早くマメに行うことが大切です。待機と言っても部屋にこもりきりになることには無理があります。軽症なので人と接触しない範囲で散歩くらいはするでしょう。しかし、手摺や家具に触れたら消毒をすること、パソコンなどを家族と供用するのは避けるべきです。(院内感染がパソコンから起きた例があります)

    このように考えてみると軽度とはいえ感染者が感染していない家族と同居するには細心の注意が必要です。特に家族に高齢者や持病を持っている人がいる場合にはできる限り同居は避けて、収容施設を利用するのが懸命です。まだ研究途上であり、感染の全貌は明らかにはなっていない新型コロナウィルスですが、私たちはできることから対策を立てて行くしかありません。感染症が軽度であっても収容施設にすぐに入れない時の備えとして住宅でできることを考えてみました。新築・改築を考えている方の参考になればと思います。(by hatanaka)

    新型コロナウィルスによる感染症(COVOD-19)はウィルスに汚染されたものの表面を触ることでうつることことが分かっている。しかし、ウィルスが人間の体外でどれくらい生きられるのかはやっと明らかになってきたばかりだ。NIHの研究では新型ウィルスはステンレス、プラスチックの上では2〜3日間生きるとされた。(NIH:アメリカ 国立衛生研究所)

    **医学雑誌「New England Journal of Medicine」に掲載された研究結果によるとせきの飛沫で空中拡散した新型ウィルスは、最長で3時間生存する。またエアロゾル状態の時には気流が動くと何かの表面に素早く付着する。(NIHのニルチェ・ファン・ドゥーラマーレン氏、ロッキーマウンテン研究所)

    ***NIHの研究では段ボールに付着した新型ウィルスは最大24時間、ステンレス・プラスチックの上で2〜3日間生きる。(NIH:アメリカ 国立衛生研究所)
    服など消毒のしにくいものの表面で新型ウィルスがいつまで生存するかは分かっていないが、段ボールなどの吸湿性の高い天然繊維の上、通気性通水性が高い物質の上では急速に乾いて繊維にこびりつく。
    (ヴィンセント・ムスター:アメリカ ロッキーマウンテン研究所)

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