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木造住宅の構造

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    ◎予知不能な大型地震の可能性
    熊本地震は2回に渡り震度7を記録しました。日本で起きる地震には「海溝型地震」と「内陸型地震」の2種類がありますが、熊本地震は内陸型地震です。現在知られている活断層2千箇所に対してその3倍(6千箇所)程度の活断層があると言われており、日本列島のどこでも地震が起きる可能性があります。地震の予知はできないのですから、どんな建物も構造には慎重な設計と施工が求められます。


    ◎震度について
    震度はかつて気象庁の職員が体感で決めていましたが、1996年以降は加速度や速度それに振動の周波数や震度継続時間などを加味して震度計で決めています。この震度計測の変更により震度のレベルが変わり、それまでの震度7が震度6弱か震度6強の下程度となっています。この変更は1948年の福井地震後に導入され、震度7は震度として最高のレベルです。どんなに揺れても震度7で熊本地震が起きるまでほとんど記録されてない程の揺れです。阪神・淡路大地震(1995年)、新潟県中越沖地震(2004年)と言ってよいレベルです。建築基準法の想定する大地震は300galから400gal(加速度の単位)と言われており、震度7ではなくなっています。従って建築基準法を守っているだけでは震度7で倒壊しないとは言いきれません。

    ◎日本の木構造の現状
    阪神・淡路大震災や新潟県中越地震の揺れは震度7の揺れでしたが、現代の木造住宅で大きな被害のないものがありました。基準法をギリギリ守るように建てられた住宅が倒壊してもおかしくなかったのですが、なぜそのような住宅が大きな被害を被ることがなかったのか、本当に木造住宅は強いのか。。その後の実物大の振動実験から雑壁(耐震壁でない壁)が効果的であったことが判明しました。多くの振動台実験の結果2000年の法律改正、品確法の制定、許容応力度計算の改定を経て木造住宅(詳細な構造計算を行った)の性能は格段に向上しました。

    ◎壁量設計の問題点
    しかし心ある専門家が日本の木造建築の実務者に対して警鐘を鳴らしているように、現在日本の木造建築基準法は4号建物(木造2階建等の小規模な住宅など)の確認申請には許容応力度計算書(詳細な構造計算書)の提出は義務付けられていません。そのため未だに詳細な構造計算をすることなく簡易な壁量計算を根拠に建築する会社が後を絶たないのです。壁量設計で得られる耐力は詳細な構造計算で得られる耐力の4分の3以下となっています。

    ◎生活を守るための耐震等級
    建築基準法上の耐震等級1は最低限度守らなければならない強度ということであり、熊本級地震の際に建物の破壊は起きるが倒壊はしないという想定です。この強度で命は守れるかも知れませんが、その被害によって家を失うことになれば生活が困窮する可能性が高くなります。従って耐震等級1は生活を守る耐震性とは言えません。少なくとも大地震後も補修程度で住み続けられる住宅が望まれているはずです。耐震等級1以上(3程度)の耐震性能は建主が自分で要望して設計監理を設計事務所に委託するか、または同性能を標準仕様にしている設計施工会社を選ぶべきと考えます。(by hatanaka)